on the Line

高校中退→ニート→フリーター→→→会社員。現在33才のぼく。なんとか普通に生きてます。なかなか普通の生活ができず苦しんだ過去を振り返りながら、同じような境遇の人のヒントになればと思いはじめました。

読書とマルチとキラキラフレーズ1

26才にして読書の力を知ったぼくは、日曜日のたびに本屋でたくさんの本を買いました。バイト地獄から抜けるために、お金の稼ぎ方や、いわゆる自己啓発書のたぐいがほとんどです。ぼくは地獄の16時間労働のスキマ時間に、ひたすら成功者のノウハウを吸収しようと必死でした。
――この生活を続ければ、ぼくには成功が待っている――
そんな希望を抱いていたのです。

……しかし、そんなにうまくは行きません。
一番の問題は「本に書いてあるとおりに行動できない」ことでした。
どの自己啓発書も、なるほど立派なことが書かれており、説得力があります。しかし、ぼくには自分をコントロールする能力が絶望的に欠けていたのでした。例えば「お金持ちがしている〇〇のこと」みたいな本の最初の項目に、お金持ちはタバコを吸わない、と書かれているのを読めば、禁煙に挑戦し、1日で挫折し、自己嫌悪におちいる。

そんなことを繰り返していました。

そんな不毛とも思える日々を過ごしていた頃、またもや事件は起こったのです。

悲しい事件

それは連休で地元に帰省していたある日、久々に各地から集った仲間とスケボーをして遊ぶことに…。
地元のスケボー仲間は年も10代から30代とバラバラで、色んなイベントで共に汗を流した気のおけない仲間たちです。
その日もひとしきり盛り上がって、みんなで談笑していた時、頼れるリーダー的存在の人がこう言ったのです。
「いい話がある」
行動力のあるリーダーのことだから、また新しいイベントでも思いついたのかと、みんな耳を傾けました。
しかし、その口から出た言葉は驚くものでした。
「携帯電話の自動充電スタンドを50万で買わないか」
そう言うとその充電スタンドの利便性やこれからの展望を語りだしたのです。
はじめは新しいビジネスでも始めたのかと思ったのですが、どうやらマルチ商法的なやつみたいです。もちろん皆ドン引きです。

議論は炎上してしまい、その時はリーダーが引き下がりましたが、せっかくの久々の集まりは後味の悪いものになってしまいました。

 

帰り道、ぼくは悲しくなりました。
リーダーも30才手前でバイトぐらし。何か行動したかったのでしょう。
そんなタイミングで純粋な彼は、キラキラした言葉でいっぱいのマルチ的な世界に取り込まれてしまったのでしょう。

そして彼が熱く語る言葉は「気づき」や「引き寄せ」など、ぼくの読んでいる自己啓発書に書かれているようなフレーズばかりでした。

続きます…。